『西條治療法』
    第四話
  東西両医学研究所  代表 西條護


 患者さんの治療は、患者さんの数が多くなるほど、
 私の場合には、結局のところ、真剣さが不足していたような気がする。
 
 治らないのは、仕方がないのだ・・・という屁理屈をつけていたのだ。
 海外へまで留学してきた人間ならば、
 助けられるかもしれないという心があって、
 ガンの患者さんや、その家族の人たちは、
 私という人間を頼って来たのだ。
 真剣さが足らない、未熟者の私にしてみたら、
 単なる一人の患者さんに過ぎなかったのである。
 しかし、その頃、
 自分の分身である子供を含めた家族というものをもっていなかった私には、
 少なくともそのような浅はかな気持ちでしか治療をしていなかったのである。

 暫くしてから、つまり自分の分身である大切な子供を一人、二人、三人と
 もってから、世界でたった一人の妻、たった一人の長男、次男、
 そしてたった一人のかわいい娘をもつようになってから、
 世界でたった一人の大切な家族。
 その夫がね妻がガンという死の病にかかり、
 なんとか助けたいという切実な思いというものが、
 当時の私にしてみたら、心の底から理解ができていなかったのである。
 この場を借りて、心の底から謝りたい。

 本当に助けられなくて、申し訳ありませんでしたと。
 土下座をしながら、世界でたった一人の大切な人の命を助けられなくて、
 本当にごめんなさいと、心から深く涙を流しながら謝りたい。
 中国の古文に、「至誠天に通ずる」という漢文がある。
 意味は、誠の心、純粋な心の願いであれば、
 天地の神々がその願いを聞いてくれるという意味である。
 正直の所、当時の私は、たぶん医術は算術で治療をしていたのかも知れない。

 でも、今は少なくとも医は仁術という「そろばん勘定」を前面にしての
 治療は、もうやってはいない。
 ひたすら、治すということを前面に、
 そして御縁のある方にのみ知られ、
 その御縁のあった方々のみ症状が軽快し治癒してもらえたら、
 もうそれで良い。
 遠方の方であれば飛行機の旅費と宿泊費、そして治療の費用を、
 患者さんに負担して頂けたら、世界中、どこへでも出かけられる。

 裏方では、東洋医学版のブラック・ジャック?
 当然医師免許はもっていない。
 手塚治虫作のブラック・ジャック・シリーズの
 全出版物を読破してみて思うのは、
 彼は若くて無免許医師ではあるが(しかし医学部出身である)、
 手術をさせたら世界一の診断の正確さと
 手術の際の超技術と速さをもっている。
 私の場合は、医師ではないので、
 手術や医薬品は用いられないが、簡単に言えば、
 人体に入ってしまった様々な毒物や異物などを、
 体外へ排泄させて症状を軽快させ、治癒させるという方法である。
 ドイツ、フランス、アメリカ、中国、日本・・・世界中から取り入れた方法であり、
 OO式とかOO流といえるものではない。

 その患者さんにとって、もっとも良い医療情報をいくつか話して、
 選択をしてもらう。
 相談をしながら、患者さんや家族たちの意見や希望などをも聞きながら
 治療方法を選択し治療を進めてゆくという方法である。
 だから、一回あたりの時間はかかる。
 しかし患者さんやご家族にとっては、納得のゆく方法を採用している。
 オーダーメイドの治療をしてゆく、
 世界でたった一人の為の、その人だけの治療方法である。
 だから、一人一人、みな治療方法が違う。


 完

  東西両医学研究所
  はこちらをどうぞ

  

  治療実績はこちら

>> BACK

(C)株式会社ワイズプラン・ケイ 2002-2003