生活習慣病とその対策
                      バランス健康会 小林 ォ

その7

◎対策編実技の部
人体は建築構造物に例えれば、骨盤は土台であり、
その土台の上に建つ30〜40階に相当するビルと見なすことが出来ます。
 土台である骨盤は、人それぞれの生活の習慣により、左右の上下、捻り、
そして前後の6つの組み合わせによる歪みが発現します。
以下にその骨盤の歪みの見つけ方とその改善法の基本型を、
椅坐位、仰臥位、伏臥位3つの姿勢別に解説します。

●その1:[膝の上げ下げ]
     椅子に腰掛けた姿勢で行う。(背筋は真っ直ぐ)
相手(患者)の動作
(1) 椅子に腰掛けて、手は手の平を上に向け、膝の上に置く。
(2) ゆっくりと片膝ずつ上に上げてみる。
(3) 右と左でどちらが上げる時に違和感(上げ辛い、重い、痛み)があるかを調べる。

指導者(施術者)の動作
(1) 相手に動作をゆっくりさせること。
(2) 上げ辛い方は右か左か確かめる。
(3) 上げ易い方を上げさせ、5秒間抵抗を与え、脱力させる。
(4) この動作をゆっくり3回繰り返す。
(5) 終わったら、最初に違和感のあった方を上げさせ、改善度を確かめる。
(6) 改善されていればそれでよし。
  改善が不十分な場合は更に動作を大きめにして2〜3繰り返す。
(7) まだ改善されない場合は、この動作はそれ以上続けずに次に移る。

●その2:[膝立て左右倒し]
 仰向けに寝た姿勢で行う。
 相手を仰臥位に寝かせ、軽く両膝を立てる。手はお腹の上に置く。
 この場合、注意する事は、腰痛の酷い人は
 この姿勢がとれない場合が多いので無理をせず次の伏臥位を先にすると良い。

指導者の動作
 指導者は相手の下肢側、鼻とへその正中線上に位置する。
(1) 相手の膝に軽く手を触れ、左右に1回ゆっくりと倒してみる。
(2) 倒した時に不快(倒し辛い、重い、痛い)の違和感のあるのは
  右に倒した時か、左に倒した時かを確かめる。

結果
A):右側に倒した時、どこかに不快を感じた場合。
B):左側に倒した時、どこかに不快を感じた場合。
C):どちら側も不快の場合。

改善策
A)の場合:相手に膝を左側に倒すよう指示し、
指導者は右手を出し、膝が中心より15〜20p位倒れたところで抵抗を与え、
ピタリと固定し、静止5秒程で脱力させる。
左手は相手の足首辺に軽く触れており、足の横ずれを防いでやると良い。
この動作を3回程繰り返し、反対に倒してみて、改善度を確かめる。
不快がまだ残っている場合は、動作を大きめにして、1〜2回繰り返す。
B)の場合:全てA)の反対をすれば良い。
C)の場合:不快度の少ない側からするか、次の動作に移行する。

●その3:[膝曲げ引き上げ]
  俯せに寝た姿勢で行う。
  その1、その2を施術してもうまく改善されない時や、
  ギックリ腰に成り立ての場合に最適な改善法であり、
  臨床事例その1、 その2ともこれが決め手であった。

相手の姿勢と動作
(1) 俯せの姿勢で両腕は手の平を上に向けてハの字型に伸ばしておく。
  顔は膝を引き上げる側に向けておくと楽である。
(2) 左右の膝を片方ずつ、ゆっくりと脇の下に向けて、
  水泳の平泳ぎの格好で引き上げ、快、不快を調べる。
(3) もし、左膝を引き上げた時の方が不快(引き上げ辛い、重い、痛み)を
  感じた場合は、左脚は真っ直ぐ伸ばし、顔を右側に向け、
  右膝を施術者の指示に従い、ゆっくりと引き上げる。

指導者(施術者)の動作
(1) 相手の下肢側正中線上に位置し、
  左手の手の平全体に体重を乗せ、親指を立てて、
  相手の左足裏に抵抗を与える。
(2) 相手に右膝を脇の下に向け引き上げさせる。
  10a〜15a引き上げられたところで抵抗を強め固定する。
  静止5秒で脱力させる。
  脱力時、足を蹴り下げる人が多いが、
  それはさせずに、ぐにゃっと脱力だけさせるのが肝要である。
(3) ゆっくりと3回ほど繰り返し、改善度を調べる。
(4) 改善不十分の場合は更に2回ほど繰り返す。
(5) 全ての動作は5回までとし、他に移行する。

●その他の実技
 以上記しました実技の他に、関節毎の実技が十数種ありますが、
 関節特有のものもあり、臨床ではその組み合わせとなりますので、
 誌面で解説しても手技として体得して頂けるものではありません。
 実技全体の習得には別途【2日コース】、【3日コース】の講習を
 随時開催しておりますので、現在諸症状でお悩みの方、
 健康で寿命までと願っておられる方々には
 特に、ご自分で出来る速効性の健康法として受講され、
 習得されることをお薦めいたします。
     
本稿は1999年9月号より2000年3月号まで、
整体治療の先生方の読まれる専門月刊誌「手技療法」に連続掲載された
寄稿文に一部加筆し、再編集したものです。
掲載雑誌発売以降、多くの先生方や研修生の方達が受講され、
治療法として利用されております。
先生方ご自身は体が楽になり、患者さんは治療期間が短くなり、
皆様に喜ばれており、治療院はとても評判が良く、繁盛しているようです。

さて、ここまで辛抱強くお読み頂いた“あなた様”だけに
毎日実践して頂きたい効果抜群の秘法実技をご紹介いたします。      
毎日、夜お休みの時、朝お目覚めの時、ベッドの中で、
寿命で昇天されるまで欠かさず実行出来る良い習慣を身に付けて下さい。
所要時間は1分少々です。

[踵伸ばし]
(1) 仰向けの姿勢で、片方の足の甲を手前に倒しながら、
  その足の踵を押し出してみる。
  この時、痛みやこわばり、重い感じ等があるかを感じ取る。(特に腰の部位)
(2) ゆっくりと力を抜く。
(3) 次に反対の脚をする。どちらの脚がやり辛いか、快、不快の違和感をみる。
(4) もしも差異があれば、不快の方の脚は以下の改善動作はしなくて良い。
(5) 快の側の脚(違和感の無い正常な脚)の[踵伸ばし]だけをする。
(6) 快の側の踵を押し出すと同時に、同側の肩、腕も足の方に押し下げる。
  反対側の肩と腕は軽く頭の方に押し上げる。
  体全体は[く]の字の様に曲がる感じとなる。
(7) 約5秒間、力を入れたら、その力をポッと抜く。
(8) ゆっくりと2呼吸位したら2回〜3回目をする。
(9) 3回終えたら改善確認のため、不快側の[踵伸ばし]をしてみる。
(10) 改善不十分なら再度(6)からの動作を2回程試みる。

【お早う体操】 《素敵な一日のスタート》
 朝、目が覚めたら、そのまま起きずに、
 以下の軽い運動をしてから起きる様に習慣をつける。
(1) 仰向けの姿勢で[踵伸ばし]を左右3回ずつ行う。不快側はしなくて良い。
(2) 俯せになり、肩幅に両手をつき、へそから下はそのままで、
  上半身のみ反り返る。
  3回あおりを入れる。頭も充分後ろに反らす。
(3) (2)の姿勢のまま、肩越しに自分のお尻を見るつもりで、後ろを振り向く。
  左右1回ずつ。
(4) 手はそのままで、2〜3歩前進し、
  正座の姿勢から両膝の間に鼻をつける要領で前屈、背中を丸める。
  (お尻を上げない)
(5) その姿勢でお尻を左右に1回ずつ振る。(背骨がポキポキと鳴るかも) 
(6) 出来れば【腕立て伏せ】を10回単位ですると良い。(膝つきでも良い)
(7) 以上の一連の運動をしてから離床する。

【お休み体操】
 ベッドに入り、今日一日の生活を振り返り、
 健康で無事に過ごせた幸せを感謝し、
 明日は更に素晴らしい一日が待っていることを強くイメージする。
(1) 仰向けの姿勢で【踵伸ばし】を左右3回ずつ行う。
(2) 【腹式深呼吸】を10回行う。
* 仰向けの姿勢で膝を立て、お腹を絞るようにして息を口から吐き出す。
* 肛門が閉まり、お尻と肩が浮き、腰が丸くなる。
* 吐ききったら、一気に鼻からお腹に吸い込む。
* お臍を上に引っ張り上げる要領で、お尻と肩が下につき、腰が浮く。
 肛門は開く感じとなる。
* 呼気は強く、長く、最後まで吐ききる。
* 吸気は一気に大きく。(肺呼吸は意識しなくて良い)
* 足の裏より新しい、真っ赤なエネルギーが流れ込み、
 悪い部位を修復し、邪気が排出される様をイメージすると良い。

(次回に続く)

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