生活習慣病とその対策
                      バランス健康会 小林 ォ

その1

 病気で人生を終える

 私達は同じ道を歩いていても、
 昼間の明るい時と、夜の薄暗い時では違った経験をします。
 昼間の明るい時は、
 棒切れや縄切れが落ちていても、別段驚きもせず通り過ぎますが、
 これが暗い夜道となると違って来ます。
 同じ棒切れや縄切れが、何故か怖い蛇に見えて、
 正確には思えてと云った方が正しいと思うのですが、
 いずれにしろ、松の棒切れかも知れないし、杉の棒切れかも知れない、
 また、藁縄か、麻縄かも判断出来ないのに、
 不思議と蛇だと思い込み、
 びっくりして全身が硬直し動けなくなったり、
 気の弱い人などは心臓発作を起こす場合もあるくらいです。
 同じ事象に対して、
 明暗の違いだけで、反応がこんなにも違って来ますが、
 これは単に恐怖心がもたらす妄想の結果に過ぎません。 

 同じように私達は病気に対しても恐怖心をもっています。
 それは一旦病気になると死を連想するからでしょう。
 もし、病気になっても完全にすぐ良くなると云う現実があれば、
 人々は平気でいられると思いますが、
 現実は逆の社会現象から病死を連想せざるを得なく、
 心の平静さを欠き、異常状態になります。

 現実の問題として、
 癌、心臓疾患、脳疾患、糖尿病、
 その他の生活習慣病や難病、奇病等が年を経る毎に増加しており、
 現代では天寿を全うして自然死をもって人生を終える確率はゼロに等しく、
 殆どの人々は何らかの病気で人生を終えています。

 人々は病死で人生を終えるために、
 この世に生まれて来た訳では無い筈です。

 病気は家庭から希望を、企業から生産性を奪い、
 社会全体の活力を低下させています。
 高度文明の時代と云うのに、
 企業体は病休社員を抱えては存続出来ない熾烈な時代に突入して参りました。


現代文明がもたらした歪み

 [内部の歪み]

 私達の肉体は、
 外部から異物(病原菌等)の侵入に対して自動的に免疫機構が働き、
 発病を阻止する仕組みになっていますが、
 残念ながら現代では、
 侵入する病原菌は今までのものより強力になっているのに対して
 体の免疫力は弱体化しており、
 昔では考えられないような高罹病率になっています。

 戦後50年間の間に、 
 あまりにも多くの化学合成の殺菌・殺虫剤、消毒剤、薬品等が開発され、
 使用されたために
 一時的には多くの病原菌を駆逐したかのように考えられましたが、
 決して全滅したわけでは無く、
 耐性菌が生き残り、かえって強力化してしまいました。

 一方、肉体の免疫力は化学物質の体内残留に応じ、
 弱体化してしまいました。
 これは、太古の昔より一度も体内に入れたことのない人工合成化学物質が、
 急激に、しかも大量に入り、
 体内の生理秩序を乱してしまった結果と考えられます。

 ●医薬品として

 現代医学では治療目的で化学薬品を投与します。
 肉体は薬として投された化学薬品も侵入異物と見なし、
 対応しますが、
 病人は免疫力自体が衰えていますので
 結果的に薬浸けとなってしまいます。

 当然、侵入病原菌は何らかの方法で殺菌する必要があり、
 投薬は有効と考えたいのですが、
 一般的な生活習慣病は菌やウイルスに因るものでは無いので、
 薬剤に因る効果の程はあまり期待できないのが現状です。

 ●食品添加物として

 私達の体内に入る化学薬品は医療における薬だけではありません。
 加工食品の中に、食品添加物として当然のごとく、
 防腐剤、増量剤、着色剤、香料、調味料等として
 ふんだんに使用されてきました。
 添加剤の害は叫ばれて久しくなりますが、
 現在ではどんなに気を付けても、
 一日8c位は何らかの形で摂り入れており、
 一生の間には自分の体重の2〜3倍の化学物質を口から
 体内に入れていると云う専門家の報告もあります。

 動物の生理機能からして当然の結果ですが、
 アトピー、アレルギーのカタカナ症状が、
 食生活の変化に応じて出現している事実と照らし合わせても明確なように、
 口から入れたものは必ず吸収され、
 血液、細胞に影響を与えます。
 時には細胞の遺伝子をも傷つけることは既に報告されている通りです。

 化学物質はなにも薬や加工食品に限っていません。
 新建材や食器等でも既に問題になって来ています。
 人間社会の高度文明の産物としての化学物質が
 大自然のバランスを崩し、
 私達の自己内秩序をも乱しているのです。

 私達が生きるために口にする食品と
 一緒に体内に取り入れられること自体に問題がありますが、
 その結果、病気になった場合、
 その治療目的で更に強力な化学物質を服用しなければならない
 近代医学は、更に重大な問題を投げ掛けています。

 近代化が進めば進むほど、
 病人が増加している現状をどのように理解したら良いのか、
 近代化と自然との関係を腰を据えて考える時に来ていると考えます。

 ●自然界からの警告

 戦後大量に使用されたDDT等の殺虫剤が、
 今頃になって環境破壊ホルモンとして話題になり、
 全地球規模で問題化しております。
 当時は無論、今日の様な結果になろうとは誰一人考えられず、
 便利性のみで盛んに使用されました。
 それが子供、孫の世代になって、
 不妊と云う種の保存の大前提を根底から覆す恐ろしい形で、
 結果として現れて来ました。

 自然界は、
 自分たちだけの便利性で発明した
 化学物質を無制限に使用する人間どもには、
 これ以上地球上で繁栄して欲しくないと云う
 結論に達したのではないでしょうか?
 正に天罰と云うべきでしょう。

 化学合成物質は自然界では不必要な物質であり、
 人間が造らない限り存在しない物質であります。
 人間社会では必要性があったので開発をした筈ですが、
 便利に使い終わったなら、
 後始末も人間がしない限り天産物と異なり
 自然界では処理出来ない物質です。  


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